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LINEA PREMIATA ” Milanese ”

当ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は当店のオーダースーツの主軸である『LINEA PREMIATA』のモデルの1つ、”Milanese”について、ご説明させていただきます。

もう1つの主軸モデル”Napolitano”については、下記リンクにてご確認ください。

LINEA PREMIATA”Napolitano”①
LINEA PREMIATA”Napolitano”②

“ミラネーゼ”は「誇張しすぎない、ミラノの都会的センスを意識したモデル」です。”ナポリターノ”が「趣向性・ファッション性の高いモデル」なのに対し、ミラネーゼは着る人を選ばないオーソドックスなデザインとパターン構成で、汎用性の高いモデルになっています。

全体的には両モデルで違いがありますが、もちろん共通の内容もあり、”ミラネーゼ”・”ナポリターノ”共通のデザインとディティールは下記の内容となります。各デザインやディティールの詳細は、上記リンクの”ナポリターノ”の説明にてご確認ください。

細腹(サイバラ)無しの2枚裁ち仕立て
肩線の位置(肩線を後ろに倒している)
●ちょん丸
●角台場
●上衿のヒゲ(折り返し)
●袖先裏のたたみ仕上げ

●シンプルなフロントダーツ

ナポリターノはカサルヌーヴォ(貫通ダーツ)を採用しておりますが、ミラネーゼはシンプルなつまみ縫いのフロントダーツ。「誇張しすぎないモデル」のとおり、すっきりした印象となります。

フロントダーツを多めに取れば取るほど、バストとウエストの差寸が大きいジャケットとなりますが、ミラネーゼはバストとウエストの差寸は14cmを基本設定としています。(もちろんお客様の体型やお好みに合わせて変更できます)

●割り袖(ナチュラルショルダー)

袖付けの方法で最も一般的でベーシックな付け方が、この”割り袖”になります。ナポリターノがいわゆるマニカカミーチャに対して、ミラネーゼは誇張しすぎないこの割り袖を基本仕様としています。

肩周りの印象は、スーツ、ジャケットの見え方やスタイルに大きく影響する部分でもあります。こういったディティールを理解しているかいないかで、お客様のスーツやジャケットへの愛着も変わってくるのではないでしょうか。

●バルカポケット

胸ポケットにはナポリターノ同様“バルカポケット”を基本仕様としています。丸くボリュームのあるバスト部分と絶妙にフィットする船底型といわれる曲線的なデザインです。

では、ナポリターノとミラネーゼで何が違うかというと、ナポリターノはポケットの内側部分の縦の長さ3.0cmに対し、外側部分は3.5cmとより誇張したデザインですが、ミラネーゼは縦の長さに差寸が無い設定になります。

シンプルに、誇張しすぎないデザインになっています。

突然ですが、前回、前々回のナポリターノご説明ブログにて大事なディティールを伝え忘れておりました。。。
大変申し訳ございません!!

下記でお伝えするディティール、アームホールにつきましては両モデル共通となります。

●そら豆型のアームホール

上に添付している左側の画像(スマホだと上の画像)が、リネアプレミアータのアームホールになります。
右側の画像(スマホだと下の画像)は、一般的なモデルのアームホールになります。

リネアプレミアータ(ナポリターノ・ミラネーゼ両モデル)のアームホールは前側に傾いている”そら豆型”になります。着やすいスーツ、ジャケットの前提としてアームホールの形状があるのですが、意外とご存じない方が多くいらっしゃる点でもあります。
画像のとおり、そら豆型のアームホールは前肩側が出っ張っていて、後肩側はなだらかになっています。そして、アームは高い位置に設定されているアームホールとなっているのです。このアームホールの型こそが、腕が動かしやすく着やすいスーツ、ジャケットの要因のひとつとなっているのです。

補足として、現在は画像右の縦長のアームホールが一般的です。縦長になるとどうしてもアームが下がって肩があたってしまいます。また、腕を上げようとしても脇の下の部分がつっぱってきてしまい、見頃部分も一緒に上がってきてしまいます。そら豆型のアームホールに比べて縦長のアームホールは、動きずらくなってしまうのです。

さて、今回は当店主軸モデルの1つ”ミラネーゼ”について、お伝えさせていただきました!
この他にも本当はまだまだお伝えしたいことが盛り沢山なんですが、その内容が気になるお客様は是非ご来店いただき、実際に見て、着ていただければ幸いです!

LINEA PREMIATA” Milanese “