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今回は当店のオーダースーツの主軸である『LINEA PREMIATA』のモデルの1つ、
” Napolitano “について、第2回目になります。
第1回目は下記リンクにてご確認ください。
LINEA PREMIATA ” Napolitano ” ①
ナポリ仕様のディティールをふんだんに取り入れた「趣向性・ファッション性の高いモデル」です。
全体的なシルエットとしては曲線的で美しいラインになっております。
それでは、第2回目は主に拘りのディティールをご紹介していきます。
●ちょん丸
衿先、胸ポケット角、袖先はハンドワークによる ” ちょん丸 ” を施しています。
曲線的で美しいモデルは、ディティールにおいても角が出ないよう ” ちょん丸 ” を施しており、これは職人の方がすべて目打ちで1つずつ押し込んで丸くしております。ハンドワークによるこの仕上げは、モデルの曲線美と一段上の高級感を演出しています。
もちろん実用面でもメリットがあり、特に袖先などは机等に擦ってしまう事が多く、袖先が尖っていると大切なスーツを傷めてしまう為、その軽減にも役立っています。
●上衿のヒゲ(折り返し)
オーダー全盛であった時代、上衿が擦り切れると裏返して着るという習慣があり、上衿のヒゲ(折り返し)は裏返しにする際のパーツとして存在していました。
今やその時代の名残として、飾りの役割が強いですが、伝統的な仕様やディティールを取り入れている当店のメインモデルは、着用しているときは目につくことはない細部においても、拘りのディティールを用いており、当時のビスポークスーツとほぼ同じディティールが ” MTM ” で表現されています。
●角台場
今では一般的なお台場仕立てですが、複数あるデザインの中で、当モデルでは ” 角台場 ” を採用しています。
本来は裏地が擦り切れて交換する際に、玉縁に裏地が掛かっていると交換が出来ない為、玉縁の周りに表地をあしらったのですが、今は装飾として一般的です。
その中で角台場を取り入れた理由は、角台場は角をきれいに止めないといけない為、難しく手間がかかる仕立てとなり、拘りの詰まった当モデルに最適だと判断しました。
また、写真を良く見るとポケットの切替えの下部分が上に被さっているのですが、これはポケットに物を入れた際にその重みで下部分が下がる為、着用時にこそきれいに見えるように、敢えて被せています。
●袖先裏のたたみ仕上げ
袖裏の仕上げにも拘りのディティールを配してます。現在の袖裏は額縁仕上げ(※額縁のようにちょうど45度の角度で折り畳んで処理する方法)が一般的ですが、当モデルは袖を畳んで折られて仕上げる ” たたみ仕上げ “ となっております。
” 上衿のヒゲ ” と同様、オーダー全盛当時のビスポークスーツはお直しがきれいに出来るたたみ仕上げとなっており、こちらも普通に着用している限り目に触れることのないディティールですが、当モデルは当時のビスポークスーツとほぼ同じディティールが ” MTM ” で表現されています。
●バルカポケット
胸ポケットには、ナポリの某一流テーラーが世に出した ” バルカポケット ” を基本仕様としています。船底型といわれる曲線的なデザインは、丸くボリュームのあるバスト部分と絶妙にフィットするのですが、この胸ポケット部分にももちろん拘りが詰まっています。
まずは冒頭でもお伝えしている通り、ポケット角部分は職人の方の手作業による ” ちょん丸 ” が施されて曲線的なバルカポケットのラインとマッチした一段上の高級感が醸し出されています。
更にポケットの内側部分の縦の長さ3.0cmに対し、外側部分は3.5cmに設定しており、船底型の曲線のラインがより強調されるデザインになっています。
さて、今回は拘りが詰まりに詰まった、珠玉のディティールをそれぞれお伝えさせていただきました!
この他にも本当はまだまだお伝えしたいことが盛り沢山なんですが、その内容が気になるお客様は是非ご来店いただき、実際に見て、着ていただければ幸いです!
LINEA PREMIATA” Napolitano “