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New Collection 【KUNISHIMA “HARDREX″】

当ブログをご覧いただきありがとうございます。
New Collectionでは新作生地を、元生地屋の店主が生地スペックや推奨ポイント等を
私なりの言葉でお伝えさせていただきます。

KUNISHIMAの前身である国島商店が創業したのは1850年、尾州の中心地(現在の一宮市)で創業者・国島武右衛門は「西洋の圧迫に直面していた日本の未来を経済力で切り拓こう」という想いをもとに織屋業をはじめ、1924年(大正13年)には製織部門を分社化し、 中外毛織株式会社を設立しました。問屋機能にメーカー機能も加わり、これが現在のKUNISHIMAの源流となっています。1965年には、イタリアの企業と技術提携・姉妹会社提携をスタートさせ、 2020年には、社名をKUNISHIMAに変更し、「生地で世界をやさしくしたい」を新たなスローガンに掲げました。生地と装いを通して人々がつながり気持ちが通じ合う、そんなやさしい世界を生み出していきます。

そんな歴史と構想を持つKUNISHIMAの生地ですが、2025SSシーズン、当店では『HERDREX – ハードレックス – 』のバンチブックをご用意させていただきました。

ハードレックスは7つのコレクションを中心とした全56柄で、自社の織機で丁寧に織り、作り上げた国産生地コレクションです。良質なウールにこだわり、織り組織、他素材との交織、仕上げ加工、染色技術などを駆使した生地を展開しています。

“トロミ スーパー100’s”
Weight:265 gms
Composition:100% wool

ファインウールを原料に使用し、柔らかな風合いと色合いを重視した素材です。上質でツヤの良い細番手(スーパー100’s)が生み出す滑らかさとしっとりとした肌触りは、まさに”とろみ”と呼ぶにふさわしい、KUNISHIMAが誇る定番生地でございます。

上の画像にある綾織り(265gms)と、下の画像の平織り(240gms)があり、お客様のニーズに合わせて選択できるのも有難いです。綾織りと平織りについてはHow to order①で詳しくご説明しておりますので、ご興味のあるお客様は是非ご一読ください。

綾織りと平織り、綾織りは秋~春のスリーシーズン、平織は春~秋のスリーシーズンご着用可能ですので、ワードローブや着用時期に合わせてお選びいただけると良いかと思います。綾織りは無地中心のカラーバリエーションに対し、平織はストライプやチェックがセレクトされております。

続きまして、V.B.CANONICO【25SS】でも触れましたが、KUNISHIMAでもサンクロス(ソラーロ)タイプの生地がリリースされております。それが、下記コレクションになります。

“ツイルシャンブレー”
Weight:265 gms
Composition:100% wool

春~秋のスリーシーズンで着用可能な細番手を使用した綾織り素材。経糸と緯糸の色を変えることでデニム調や玉虫調を表現しております。特徴のあるカラーが個性を演出します。画像の上部にあるように、インディゴデニム調やブラックデニム調の生地を使用しスーツをお仕立ていただければ、デニムセットアップのようなカジュアルな装いに、下記のサンクロスタイプを使用すれば、クラシカルなブリティッシュスタイルに、それぞれ個性的なスタイルでご着用いただけると思います。V.B.カノニコのボーソレイユよりも落ち着いた光沢感ですので、落ち着いた雰囲気がお好みのお客様はこちらの生地の方が良いでしょうね。

“ウールアンドリネン”
Weight:275 gms
Composition:85% wool 10% linen 5%nylon

もう一つ、少し変わり種をご紹介させていただきます。ウールベースに麻の混紡糸を交織しているウールアンドリネンコレクション。ウールの機能性に加えて、麻のかすれた表情とカジュアルな雰囲気を取り入れた素材で、シャリッとした肌触りです。よく見ると麻の混紡糸がメランジ調を表現しており、立体感のある生地です。スーツはもちろん、ジャケット単品でもスラックス単品でも、独特の雰囲気を醸し出してくれるのではないでしょうか。

今回は、2025SSニューコレクションKUNISHIMA”HARDREX”について書かせていただきました。日が経つにつれて品切れや品薄が更新されてしまいますので、気になられましたら是非お早めにご来店いただけますと幸いです。新しい生地に触れ、オーダースーツやオーダーアイテムをご検討いただく時間が何よりも楽しい時間かと存じます。ご質問やご相談がございましたら、当ホームページのCONTACTからお問い合わせ、もしくは直接お電話にてお気軽にご連絡くださいませ。