BLOG

Recommend Collection 【W.Bill “CLASSICS SHETLAND”】

当ブログをご覧いただきありがとうございます。
Recommend Collectionでは元生地屋の私が特に推奨する生地について、スペックや推奨ポイント、
着用感や着こなし等、私なりの言葉でお伝えさせていただきます。

W. Bill(ダブリュー ビル)は1846年創業の歴史あるカントリー服地マーチャントで、なんとあのヒラリー卿が人類初のエベレスト登頂を達成した時に同ブランドの服地を着用していたことでも知られているんです。ドネガル、シェットランド、ハリスなどのツイード地や、バラエティに富んだユニークなジャケット地の取扱いに定評があり、サヴィル・ロウの名門テーラーから大きな信頼を得ています。

さて、博識なお客様はご存じかと思いますが、上の文章に出てきてますね。”ドネガル、シェットランド、ハリス”と。この三種類の冠名を持つツイードこそ、”世界三大ツイード”と言われております。世界三大ツイードとは、ハリスツイード、ドネガルツイード、シェットランドツイードを指しており、産地や発祥地によって種類が異なり、ネップやケンプ、生地の風合いなどが異なります。

ツイードは、短い羊毛を糸にして折り込んだ生地で、刈り取った羊毛をそのまま紡ぐ製法で作られます。一本一本の繊維が短いため使う羊毛の量が多くなることから、肉厚で保温性が高い生地に仕上がります。肌触りははっきり言って良くはないですね。なぜならば、チクチクしますからね、生地の特性上どうしても。ただ、それを補って余りある風合いが男心、ファッション心をくすぐるんです。

【W.Bill “CLASSIC SHETLAND”】
Weight:390 gms
Composition:100% wool

ダブリュービルのクラシックシェットランドは、シェットランド諸島の伝統織物を現代に再現したコレクションで、ざっくりとした優しい風合いが特徴。ヴィヴィッドなカラーリングからオーセンティックなカントリーデザインまで、新生ダブリュービルの世界観を表わしています。さて、このシェットランドツイード、他のハリスやドネガルに比べて一番繊度が柔軟な羊毛を使用しています。ですので、スポンジのようなふっくらとした風合いで肌に優しい。この羊毛で織られたツイードは軽やかで、温かく、柔軟であり、触った際の豊かな風合いが感じられます。

古くからのシェットランドツイードは手織工場で今なお行われており200年以上も続いています。クラシックでオーセンティックなシェットランドツイードでオーダージャケットを仕立てる。それは一番の贅沢な一着になるでしょう。

生地屋時代を振り返った際、シェットランドに限らずツイードのご注文を遡ると、圧倒的な量を誇る色柄がございます。それがミディアムグレーのヘリンボーン柄です。これは本当に突出してます。他の色柄の2倍以上のご注文があったのではないでしょうか。風合いも適度に感じられ、尚且つ着用しやすい色柄が人気なのでしょうか、その経験を踏まえ私が特におすすめする色柄が下記です。

Code:12446

上の画像、柄をよく見ていただくと何かに見えませんか?、そうです、猫の足形です。正式名称は”オートミール(大麦の粒)”と呼ばれる織り柄で、大麦の粒(オートミール)のような形を表現したことから名づけられたのです。縦は白、横に黒または濃色を配して織られており、白黒がごちゃまぜになった色、グレーのような色味になるのです。因みに日本では猫の足形に似ていることから、「猫足」とも言われています。私はこの呼び方が可愛いなと思うので、いつも猫足と呼んでいます。最近はあまり見かけないクラシックな柄です。

パッと見の印象はミディアムグレーなので着用しやすく、尚且つ一線を画した雰囲気に仕立てあがるんです。この柄、おすすめです!

最後に、全61柄あるコレクションの一部をご覧ください。

今回のRecommend Collectionは、『W.Bill』 “CLASSIC SHETLAND” について書かせていただきました。
お目当ての生地を眺め、触れながら、どんなデザインで仕立てるか妄想を膨らませたり、実際に着用するイメージを思い浮かべたりする過程こそが、オーダーの楽しさであり醍醐味ではないかと思います。

そのお手伝いが出来ればと考えておりますので、生地やモデルに関するご質問やご相談がございましたら、当ホームページのCONTACTからお問い合わせ、もしくは直接お電話にてお気軽にご連絡くださいませ。