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New Collection 【SMITH WOOLLENS “ABACUS”】

当ブログをご覧いただきありがとうございます。
New Collectionでは新作生地を、元生地屋の店主が生地スペックや推奨ポイント等を
私なりの言葉でお伝えさせていただきます。

1921年、ハーバート・スミスとクロード・グラハムによってロンドンのゴールデンスクエア(服地卸商が集まっていたことで有名な広場)で創設されたロンドンマーチャントの雄、『スミスウールンズ』。1930年代からは輸出にも力を入れ、クラシックでありながらソフトな質感の独特なテイストが世界的に支持されてきました。凛として知的な表情を持つ服地の数々は、今日もエグゼクティブ達を魅了し続けています。

『スミスウールンズ』といえばこのファブリックを思い起こされる方も多いのではないでしょうか。そう、“ソラーロ”の名称で知られるあの生地です。玉虫色の輝きを持つ美しいウール織物、実はスミスウールンズによって20世紀初頭に開発され、今も商標として保護されている英国の服飾史にも足跡を残す特別なファブリックです。

そんなスミスウールンズ、SSシーズンのコアコレクションとなるのが今回ご紹介する“アバカス”となります。ちなみに、AWシーズンのコアコレクションは、当ブログでもご紹介させていただきました“BOTANY”です。気になる方はご一読ください。

“ABACUS – アバカス – ”
Weight:310 gms
Composition:100% wool

ラテン語を語源とし、ローマ時代に使用された”計算機”からインスピレーションを得たネーミングは、歴史から未来へと繋がる”今”に於いて輝きを放つ、魅力的な服地への探求を表しています。定番からファンシーまで、長く愛用できる普遍的な色柄のコレクション。

こちらのコレクションは平織りです。最近何度もお伝えしている平織りについてはHow to orderでご確認ください。平織りとしては肉厚な約310gmsというウェイトへと織り上げられ、仕上げ工程ではスミスウールンズ独自の“サハラフィニッシュ”が採用されています。肉厚なウェイトになる理由、それは原毛と糸の撚りです。しっかりとした太さの原毛と、それを強く強く撚って双糸にすることで、この抜群のハリとコシが生み出されるのです。

サハラフィニッシュによる効果として、ドライでクリスピーなボディが挙げられます。春から秋にかけての高温多湿な環境で快適な着心地を実現するだけでなく、防シワ性、高い復元力を併せ持つ、パリッとした触り心地。ご着用後にハンガーに掛けておけば、多少のシワなら朝には回復するのです。世界を舞台に活躍するビジネスマンのトラベルシーンでも高いパフォーマンスを発揮します。

気になる編集色柄は下記にてご確認ください。ハリソンズグループでもあるスミスウールンズ、らしさ満載の編集です。

今回は、2025SSニューコレクションSMITH WOOLLENS”ABACUS”について書かせていただきました。日が経つにつれて品切れや品薄が更新されてしまいますので、気になられましたら是非お早めにご来店いただけますと幸いです。新しい生地に触れ、オーダースーツやオーダーアイテムをご検討いただく時間が何よりも楽しい時間かと存じます。ご質問やご相談がございましたら、当ホームページのCONTACTからお問い合わせ、もしくは直接お電話にてお気軽にご連絡くださいませ。