当ブログをご覧いただきありがとうございます。
New Collectionでは新作生地を、元生地屋の店主が生地スペックや推奨ポイント等を
私なりの言葉でお伝えさせていただきます。
KUNISHIMAの前身である国島商店が創業したのは1850年、尾州の中心地(現在の一宮市)で創業者・国島武右衛門は「西洋の圧迫に直面していた日本の未来を経済力で切り拓こう」という想いをもとに織屋業をはじめ、1924年(大正13年)には製織部門を分社化し、 中外毛織株式会社を設立しました。問屋機能にメーカー機能も加わり、これが現在のKUNISHIMAの源流となっています。1965年には、イタリアの企業と技術提携・姉妹会社提携をスタートさせ、 2020年には、社名をKUNISHIMAに変更し、「生地で世界をやさしくしたい」を新たなスローガンに掲げました。生地と装いを通して人々がつながり 気持ちが通じ合う、そんなやさしい世界を生み出していきます。
そんな歴史と構想を持つKUNISHIMAの生地ですが、当店では2種類のバンチブックをご用意させていただきました。
『HERDREX – ハードレックス – 』と『BEST SELECTION – ベストセレクション -』になります。
ハードレックスは7つのコレクションを中心とした全80柄で、自社の織機で丁寧に織り、作り上げた国産生地コレクションです。良質なウールにこだわり、織り組織、他素材との交織、仕上げ加工、染色技術などを駆使した生地を展開しています。
ベストセレクション全82柄は7つのコレクションを中心に、国島が厳選した汎用性の高いスタンダードライン。ビジネススーツ向きの無地、織柄を中心に収録。年齢、性別の区別なく幅広く使えるカラーを用意しています。
そのふたつのバンチブックから、特におすすめのコレクションをご紹介させていただきます。
“ネイビーデプス”
Weight:320 gms
Composition:100% wool
王道のネイビーサージで、KUNISHIMAが196色の桝見本から厳選した3色(ネイビー、ブルーネイビー、ミッドナイト)を展開。経糸と緯糸で異なる色を組み合わせることで、より深みのある”ネイビー”を表現しています。色はこだわりのとおりですが、その他になにが良いかと言いますと目付けです。目付け”320gms”という絶妙な生地の重さで織られているこのコレクションですが、一般的な秋冬スーツ生地の目付けはイタリアで200台後半、イギリスで300台後半が多い(あくまで一般的な話ですのであしからず。。。)です。日本の気候ですと200後半だと真冬は心許なく、300後半だと秋から初冬はちょっと暑いのです。が、この320gmsでしたら秋冬シーズン通してなんの躊躇もなく、思い切り着用できるのではないでしょうか!
“グレイスフランネル”
Weight:380 gms
Composition:100% wool
こちらは国島の営業さんおすすめコレクション、グレイスフランネルです。なんと梳毛を使用した本フラノにも関わらず目付けが380gmsあるというのです。ということはよっぽど縮絨をかけたんだろうなとコレクションの説明を確認したところ、”幅広く織り上げた生地を時間と手間を掛けて丹念に縮絨して仕上げました”とのことでした。納得のクオリティです。暖かく上質感のある生地ですが、適度にハリコシもございますので、スーツはもちろん、スラックスにも最適ではないでしょうか。ちなみに、国島の営業さんはさらに上品な光沢感も推しておりました。これは本当に良い生地ではないでしょうか!
“オールジェンダー”
Weight:270 gms
Composition:100% wool
ジェンダーフリーをコンセプトに開発されたウール素材で、通常よりストレッチを効かせています。このコレクションの良いところは、カラー展開ですね。左側の写真(スマホでしたら上側)の無地シリーズ、グレー、ベージュ、ブラウン、グリーンこのスモーキーでヴィンテージライクなカラーは非常に良いです。若干オーバーサイズ気味にオーダースーツをお仕立ていただければ、ヴィンテージスーツを着用しているような良い雰囲気のスーツになるのではないでしょうか!右側の写真(スマホなら下側)のチェックも絶妙な配色ですよ!
今回は、ニューコレクション”KUNISHIMA”について書かせていただきました。日が経つにつれて品切れや品薄が更新されてしまいますので、気になられましたら是非お早めにご来店いただけますと幸いです。新しい生地に触れ、オーダースーツやその他のオーダーアイテムをご検討いただく時間が何よりも楽しい時間かと存じます。ご質問やご相談がございましたら、当ホームページのCONTACTからお問い合わせ、もしくは直接お電話にてお気軽にご連絡くださいませ。