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New Collection 【HARRISONS “CONCEPT”】

当ブログをご覧いただきありがとうございます。
New Collectionでは新作生地を、元生地屋の店主が生地スペックや推奨ポイント等を
私なりの言葉でお伝えさせていただきます。

New Collection 【HARRISONS “CONCEPT”】
Weight:240/250 gms
Composition:100% wool

1863年に創業の名門マーチャントの”ハリソンズ”は、欧州の王侯貴族をはじめとする世界中のVIPから愛されてきた、最高級服地の代名詞的ブランド。

2024SSシーズンにニューコレクションとして登場したのが、この”コンセプト”です。さて、コレクション名であるコンセプト。こちらの意味が気になったお客様も多いのではないでしょうか?直訳すると”概念”や”基本的な観点、考え方”です。日本取扱い先の生地商社からの生地説明を以下に抜粋させていただきますので、それを基にブログを進めてまいります。

『春から秋にかけて活躍する、汎用性の高いツイルスーティング。絶えず進化を続ける名門マーチャント ハリソンズの新たなクリエーションが、この“コンセプト”です。「ツイル(綾織り)でライトウェイト」という英国では珍しいスペックを、72番手に紡いだファインメリノの経緯双糸使いで織り上げたのは、モノづくりに妥協を許さないハリソンズならでは。美しい仕立て上がりと、快適な着心地を実現するコンセプトは、世界を舞台に活躍するエグゼクティブ達の新たなスタンダードになるでしょう。』

M株式会社様、ありがとうございます。新たなクリエーションということで”コンセプト”と名付けたんですね!さて、注目していただきたいのが 、“ツイル(綾織り)でライトウェイトという英国では珍しいスペック” 、この部分です。英国の春夏生地において主軸となるのは平織りです。以前、こちらのブログでもご紹介したRecommend Collection 【HARRISONS “FRONTIER”】も平織りですね。その際にフレスコ生地のことにも軽く触れましたが、良いものを長く使う文化のある英国では、生地が丈夫ということがとても大事な要素だというの事がわかります。特にハリソンズは英国でも正統派なブランドで、強撚の双糸使いを特徴としておりますため尚更です。

綾織りでライトウエイトはむしろイタリア生地が得意としている範疇といってもいいかと思います。基本的にどういった原毛をどれくらい使ったかで生地のウエイトになりますので、より軽い原毛を使い糸の撚りを少なくし、その本数を減らし打ち込み(密度)を弱くすれば、シンプルに考えれば軽い生地が出来上がります。ただ、そうすると全く使い物にならない脆弱な生地が出来上がってしまう為、そのバランスが生産国やブランドの特徴によって変わってくるのでしょうね。

綾織りは生地の打ち込みが平織りよりも強くなるため、英国生地においては春夏は平織り、秋冬は綾織りと必然的に分けられるのでしょうね。話を”コンセプト”に戻しますが、長持ちすることが重要なファクターである英国生地において、綾織りのライトウエイトというのがどれほど珍しいスペックであるか、お判りいただけたかと思います。このコンセプトで仕立てられたオーダースーツやスラックス等は、美しい仕立て上がりと、快適な着心地を実現する最高のものとなるのです。

“コンセプト”の編集色柄は、良くも悪くもハリソンズらしさ全開です。笑

これぞ英国の名門マーチャントらしい普遍的な色柄を中心に編集されておりますので、お客様にとっての定番スーツをお仕立ていただいてみてはいかがでしょうか。

今回は、ニューコレクション”コンセプト”について書かせていただきました。ご質問やご相談がございましたら、当ホームページのCONTACTからお問い合わせ、もしくは直接お電話にてお気軽にご連絡くださいませ。